コンプライアンス推進のしくみ
内部統制システム
HOYAグループでは、コーポレートガバナンスの強化に努めるとともに、適正で効率的な事業運営を行うために、内部統制システムの充実に努めています。各事業部および事業所では、それぞれの事業環境に応じて、統制環境の整備および業務執行に際してのリスク評価と対応、また統制プロセスの検証・改善を行い、最適な内部統制システムを整備しています。各事業部門の部門長は、事業運営における権限と業績向上の職責を負うと同時に、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、コンプライアンスおよび経営資産の保全を目的とする内部統制システムの充実を図る責務が課せられています。グループ本社の監査部門は、内部統制システムが適切に機能しているか、不正が行われていないか、改善すべき事項はないかなどを独立した立場から検証する職務を負っており、各事業部門・事業所に対して定期的に業務監査を実施します。監査を通して顕在化した問題点はその場で改善勧告されます。特に重要な事項については、監査委員会・取締役会および執行役に報告され、必要に応じて執行役が迅速かつ適切な措置を決定・指示することで、改善を図ります。
- 内部統制システムに関する体制および方針
(1) 業務の適正を確保するための体制
会社法第416条第1項第1号ロおよびホ並びに会社法施行規則第112条に掲げる内部統制システムに関する当社取締役会の決議の内容は、次のとおりであります。
(1) 監査委員会の職務の執行のため必要な事項
- 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項
監査委員会の職務を補助すべき組織として監査委員会事務局を置く。
- 前号の取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項
事務局スタッフの任免権は監査委員会にあることを規定。
- 執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制その他の監査委員会への報告に関する体制
社外取締役が過半数の取締役会において、重要事項はもれなく取締役会に報告するように取締役会規定を改定したことにより、取締役会の報告ですべての重要事項が網羅されることとなり、ことさらに監査委員会に報告すべき事項は規定しない。
- その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会の下に監査部門を置き、監査部門は、監査委員会が決定または承認した監査方針・監査計画にもとづき、往査を主体とした監査を実施し、適宜監査委員会に対して報告を行なう。
各社内組織において保存および管理されている情報を、監査委員会または監査部門の求めに応じて、速やかに報告する。
(2) 業務の適正を確保するため必要な事項
- 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
重要事項について、社内承認申請に係る書類・記録および議事録等を法令その他の基準にもとづき、適正に保存および管理するよう務める。
- 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
各組織・部門においてリスクの把握とその管理に務め、監査部門の指摘等を勘案し、適宜改善を図る。
- 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役会において決議される年間計画および四半期予算にもとづき、各部門は業務を執行する。四半期ごとに目標の達成度合を評価し、適宜改善を図ることにより、グループ経営の効率化を確保する。
重要事項に関する執行役の承認基準等、業務執行における意思決定システムにもとづき、適時的確に業務を執行する。
- 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
当社グループの役員および社員が遵守すべき「HOYA行動基準」に関する体制を確保する。
- 当該株式会社並びにその親会社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社グループの経営理念・経営基本原則にもとづいて制定した「HOYA行動基準」をグループ全体で遵守し、適宜に教育啓蒙活動を行なう。
グループ内通報・相談システムの「HOYAヘルプライン」によりその実効性を強化する。この体制を、海外にも展開し、当社グループの活動の健全性を確保する。
(3) 財務報告の信頼性を確保するための体制
財務報告の信頼性の確保および、金融商品取引法の定める内部統制報告書の有効かつ適切な提出のため、財務報告に係る内部統制を整備、運用し、それを評価する体制を構築する。
(2) 反社会的勢力排除に向けた基本方針
当社は反社会的勢力排除に関して次のとおり基本方針を取締役会にて決議いたしております。
私たちは、反社会的勢力とは一切の関係を持たず、反社会的勢力からの不当要求に対しては外部専門機関と連携をとり毅然と組織として対応します。
HOYA行動基準
内部統制システムを機能させるためには、職務を遂行する社員一人ひとりの意識向上が不可欠となります。HOYAグループでは、役員を含む社員一人ひとりが職務を遂行する上で確固たる職業倫理をもって行動できるように指針を明文化した「HOYA行動基準」を制定し、日常的な教育・啓発活動を通じて規範意識を醸成しています。
「HOYA行動基準」のグループへの浸透
HOYAグループの社員一人ひとりが「HOYA行動基準」を理解し、日々の行動の中で実践していけるよう、HOYAの経営理念や基本原則をまとめた「HOYA行動基準」を配布しています。日本では、年に1度、各職場で「HOYA行動基準」の読み直しをすることで、理解を深め、更に実践していく意志を確認するため、社員が確認書にサインをしています。また、海外の社員にも各国の法令や慣習に合わせた「HOYA行動基準各国版」をそれぞれの言語で作成して配布し、社員が理解をして日々の行動に反映させています。

HOYAヘルプライン
HOYAグループでは、内部統制システムの一環として、グループ内部からの通報・相談を受け付ける「HOYAヘルプライン」を2003年から設置しています。これは、法令や「HOYA行動基準」に違反する行為があった場合、通報者の保護をはかりつつ、早期に問題を把握し、経営トップへスムーズに伝達する仕組みで、迅速かつ適切に対処することでグループ全体の健全性を確保することを目的としています。社外窓口設置、24時間Webでの受け付け、匿名対応可能など相談しやすい環境作りをおこなっています。
情報発信やパンフレット・ポスターでコンプライアンス意識を啓発
コンプライアンスの浸透・定着のため、イントラネットや掲示板などでの情報発信、意識啓発パンフレットやポスターの作成などを継続的に実施しています。イントラネットや掲示板などでは、身近で起こりそうなコンプライアンス違反のセルフチェックテスト(Q&A)や、社内の事例を通してコンプライアンスの本質を理解するコンテンツなどを随時発信し、コンプライアンス意識向上を図っています。また、啓発パンフレットやポスターを作成し、従業員が折に触れてコンプライアンス意識を再確認できるよう取り組んでいます。
内部統制報告制度(J-Sox)
内部統制報告制度への対応については、グループの主要な各事業部門における財務報告に係る内部統制の整備状況の可視化および運用評価体制の構築は完了しました。2009年3月期より内部統制の有効性を検証しています。検証の過程で認識した内部統制の逸脱事項、内部統制の不備等について適宜改善し、財務報告の信頼性を確保するため継続的な活動を行っています。
研修
独禁法など個別のテーマについては、その事業に特有の環境に合わせた具体的な研修を行い、コンプライアンス意識の醸成に務めています。
HOYA贈収賄及び腐敗行為禁止ポリシー
「HOYA行動基準」に基づき、贈収賄・腐敗行為防止の取り組みを強化するために、本グループポリシーを制定しました。贈収賄・腐敗行為防止のためのルールや社内管理体制、研修を含めた施策等を具体的に示しており、本ポリシーに従って行動することでステークホルダーの信頼をより高めることにつながると考えます。今後もグループを挙げて取り組んでまいります。