緑内障には複数の病型があります。原因や症状、起こりやすい人もさまざまです。
閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかく)
房水の出口を隅角(ぐうかく)と呼びます。閉塞隅角緑内障は、隅角が狭くなり房水が流れにくくなった結果、眼圧が上昇することで起こります。
閉塞隅角緑内障には、急性型と慢性型があります。
- 急性型…著しく眼圧が上昇し、視力低下のほか眼痛や頭痛、吐き気を伴います
- 慢性型…とくに夜間にかすんで見える場合や軽い頭痛を伴う場合があります
40代以上の女性が男性の3~4倍もなりやすく、とくに遠視の人は注意が必要です。
閉塞隅角緑内障と診断された方には、使用できない薬剤があります。自身の緑内障病型と薬剤の使用可否について、必ず眼科医に確認してください。
開放隅角緑内障(かいほうぐうかく)
隅角が充分な広さであっても、線維柱帯で目詰まりを起こすことがあります。この結果、眼圧が上昇し起こる緑内障が開放隅角緑内障です。
眼圧が上昇するスピードはゆっくりで、初期にはほぼ自覚症状がありません。進行すると一部に見えづらい部分が現れたり、視野の欠損が起こり始めたりします。
多くは40歳以上で発病し、高齢になるほど割合は高くなります。傾向として、もともと近視の人に多いと言われています。
正常眼圧緑内障
眼圧が10~21mmHgの正常値におさまっていても、緑内障を発症するケースがあり、開放隅角緑内障の一部に分類されます。視神経乳頭の構造が弱く、正常値の眼圧でも耐えられずに視神経が傷ついてしまうことが原因です。
以前に行われた数千人規模の調査では、緑内障の発病頻度は40歳以上の人口の5%で、うち7割を超える3.6%が正常眼圧緑内障だったという結果が報告されました。
続発緑内障
もともとある別の病気の影響で起きるものが、続発緑内障です。ステロイド薬の長期にわたる点眼や糖尿病などによる網膜の病気が原因となる場合があります。
ステロイドの塗布、内服、点眼の長期使用は眼圧が上がることがあるため、眼科の受診が必要です。
外傷や角膜の病気、目の炎症などで眼圧の上昇が引き起こされ、結果的に緑内障になることも続発緑内障に含まれます。
発達緑内障(先天緑内障)
生まれつき隅角に発育異常があると、眼圧が上昇し、視神経が障害されます。約3万人に1人の割合でみられ、早発型だと1歳までに約80%が発症し、遅発型では隅角異常の程度が軽いものの10~20代の若年世代で発症します。