HOYAのESG

組織体制・方針

当社グループでは2019年8月に設けたESGコミッティを中心にESGの活動を行ってまいりましたが、ESGに対する取り組みを加速させるため、2022年3月にチーフ サステナビリティ (ESG) オフィサー(CSO)を任命し、CSOのもと専任組織であるESG推進室をHOYAグループ本社内に新設しました。また、各事業部においても、サステナビリティ/ESGに関する部門や担当をそれぞれに適した形で設定の上、本社と事業部で連携しながらHOYAグループのESG活動を推進していきます。

組織体制

サステナビリティ方針

当社のサステナビリティに関する基本的な姿勢・方針を明文化し、サステナビリティ活動を一段と推進させることを目的として、2022年5月にHOYAグループ サステナビリティ方針を制定しました。

私たちは経営理念のもと、経営基本原則の実践を通じて、持続可能な社会の実現に貢献し、中⾧期的な企業価値の向上を目指します。

  • 事業のイノベーションを通じて、グローバルな社会的課題の解決に貢献することを目指します。
  • ステークホルダーとの対話を通じて信頼関係を築き、公正かつ透明性の高い経営を実現します。
  • 次世代によりよい地球環境を引き継ぐため、事業活動における環境負荷の低減に努めます。
  • サプライチェーンを含む事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重し、人権侵害の未然防止に努めます。
  • 新たな価値創造を目指して、社員のウェルビーイングを重視した、多様な人材が活躍できる環境作りに努めます。
当社 経営理念、経営基本原則・ビジョンはこちらをご参照ください。

マテリアリティ(重要課題)

社内で議論、検討を進めてきた当社グループの中長期的な成長に資する項目(マテリアリティ)について、2021年9月に取締役会にて承認を得て4つのマテリアリティを特定しました。

マテリアリティ特定プロセス

マテリアリティ特定プロセス
  • 当社事業に関連する社会の変化・課題の把握
  • ESG評価機関による当社評価の分析、国際的なガイドライン※1の参照
  • 事業部マネジメントへのヒアリング
  • 当社事業が該当するSASB※2の業種別マテリアリティ※3を使用し、ステークホルダーにとっての関心と当社事業インパクトの2軸での評価(マッピング)により候補を選定
  • 重要なステークホルダーである国内外投資家から得た意見・フィードバックを参考にし、社内で議論を深めて総合的に評価
  • 特定した4つのマテリアリティを取締役会にて承認
  • ※1. SASB, GRI, IIRC, ISO26000, TCFD, RBA, CDP
  • ※2. Sustainability Accounting Standards Board
  • ※3. 業種:医療機器、ハードウェア、半導体

特定したマテリアリティ

上記のプロセスを経て、当社における4つのESGマテリアリティを特定しました。

特定したマテリアリティ

マテリアリティのリスクと機会

マテリアリティ選定の過程において、グローバルな社会課題や当社が置かれている事業環境を考慮し、以下のリスクと機会について検討・議論をおこないました。

マテリアリティ リスク 機会
温室効果ガス(CO2)削減
  • 法規制や業界ルール、顧客からの要望の厳格化、またそれらに対応できない場合、製品・サービスの競争力低下や社会的信用の低下
  • 炭素税、排出量取引制度などカーボンプライシング導入の拡大
  • 省電力に対応した生産プロセスによるコスト減
製品品質・安全
  • 製品の不備・不具合の発生や法規制・規格への遵守不備の事故が起こった場合、リコール費用の発生や社会的信用の低下
  • 製品品質安全に関する法規制・規格等の厳格化
  • 法規制や業界ルールなどへの徹底した遵守・健全な事業活動の実施による企業価値向上への貢献
従業員エンゲージメント・ダイバーシティ&インクルージョン
  • 優秀な人材確保の世界的な競争激化
  • 多様な人材の確保・育成による価値創造イノベーション機会の増加
サプライチェーンマネジメント
  • サプライチェーン上の法令違反や人権侵害などの影響による取引停止、社会的信用の低下
  • サプライヤーとの信頼関係の構築による安定的な部材供給の確保、持続可能な生産体制の確立

マテリアリティに対するアプローチ・施策

マテリアリティ アプローチ 施策 関連するSDGs
温室効果ガス(CO2)削減 CO2削減の中長期目標を設定し、それに向けたロードマップを作成する。
目標達成に向けた施策・KPIを設定し、着実に実行・モニタリングしていく。
  • エネルギー効率の高い生産設備への更新
  • 再生可能エネルギー導入の検討・推進
  • 照明LED化、社用車エコカー推進 等
  • TCFDに基づいた開示の推進
製品品質・安全 お客様に、より有効かつ安全に製品を使用していただくため、特にメディカル製品を取り扱うライフケア事業において製品安全品質管理体制や業務の継続的な見直しと改善を行う。
  • 規制変更に対応した継続的な品質マネジメント体制の強化
  • 社内QMS監査の強化によるISO9001/13485適合維持
従業員エンゲージメント・ダイバーシティ&インクルージョン 多様な社員が働きがいを感じながら能力を最大限発揮し、社員の成長が会社の成長にもつながるような職場環境作りを目指す。
  • 従業員エンゲージメント調査、結果分析からの対応施策の実施
  • みんなが活躍できる職場づくり[みんかつ]プロジェクトの推進 (主に国内対象)
サプライチェーンマネジメント HOYAサプライヤー行動基準を基本とし、自社のみならずサプライチェーンにおける法令遵守や人権保護の観点からも適切な管理を行う。
  • HOYAサプライヤー行動基準への遵守の働きかけ・署名の取得
  • 紛争鉱物調査
  • マテリアリティの施策や目標・指標に関しては、社内での議論や取り組みを進めていく中で追加での設定・見直しをおこなっていきます。
  • 当社の事業内容は多岐にわたっていることもあり、共通のマテリアリティの他に、各事業部におけるサステナビリティ/ESGに対する個別の課題についても議論・検討をあわせて進めていきます。