事業ポートフォリオ経営

強さの源泉 事業ポートフォリオ経営

ビジネスモデルや景気感応度等が異なる複数の事業を展開することでリスクを分散させ、グループ全体の収益性・安定性・成長性を確保していくポートフォリオ経営を展開。
それぞれの事業が現状、どのライフサイクルにあるかを見極め、より成長性の高い領域へ経営資本を配分。また、競争優位性を失った事業の撤退を行うことなどにより、適者生存的な事業ポートフォリオを構築しています。
現在は、ライフケアと情報・通信という2つの大きな事業分野を柱に据えています。

グループの事業別売上高構成比(2021年度):ライフケア事業62%、情報・通信事業38%

HOYAマネジメント・システム

HOYAでは「短期の積み重ねが長期成長につながる」との考えから、四半期単位の超短期で各事業のレビューと改善活動をおこなっています。(四半期決算を、年度決算と同等以上に重視しています)
各事業部から成長戦略や業績説明を受けた執行役側が各事業への経営資源の配分、縮小・撤退などの判断をおこなっており、事業ポートフォリオ経営を支える仕組みとなっています。

DHOYAマネジメント・システム体制図

今後の10年における注力分野

事業ポートフォリオ戦略の深化

世界的な高齢化、新興国の経済発展による人々のQOL(Quality of Life)向上へのニーズが拡大する背景から、ライフケア事業は、今後も長期安定成長していくと見込んでいます。情報・通信事業については、既に高い市場シェアを獲得していることに加え、関連する市場の成長性が停滞していた時期があったことから、キャッシュカウと位置づけてきましたが、近年においては半導体の微細化技術でブレークスルーがあったことや、あらゆる産業でデータドリブン化が加速してきたことなどにより、同事業についても成長が期待されます。以上のような状況から、今後はライフケア事業、情報・通信事業のセグメントにとらわれず、事業ごと/製品ごとで成長性を見極めていく体制にしていきます。

また、企業の永続的な成長をけん引する新たな事業の開発・獲得を最も重要な経営課題と認識しており、社内開発とM&Aの両輪で取り組んでいきます。これまでは事業部間での協業は多くはありませんでしたが、今後は事業部を跨いだ研究開発をプロジェクト単位で立ち上げ、新たな市場・製品の創造を図っていきます。また、M&Aについては、これまではライフケア事業を中心に実施してきましたが、今後はライフケア関連のみならず、対象を情報・通信事業の領域にも広げ、検討を進めていきます。市場の選定領域としては、HOYAのビジョンとミッションに適合し、既存領域に接する分野を想定しており、また、ニッチトップなポジションと高い収益性が見込める領域への参入を目指していきます。

ESGの強化

他の日本企業に先行して取締役会の過半数を社外取締役で構成し、委員会制度といった仕組みを基盤とした客観性と透明性の高いコーポレートガバナンス(G)を強化してきました。今後は環境(E)と社会(S)についても取り組みを加速していきます。
CSO中川知子のメッセージなどを併せてご参照ください