社会
サプライチェーン・マネジメント
基本方針
HOYAグループでは各事業内容に適した場所でグローバルに製造拠点を展開しており、効率的に調達した原料‧部材の加工‧組み立てをおこなうことで世界中の顧客に製品を販売しています。
持続的な企業価値の増大には製品の安全性と品質を高いレベルで維持するとともに、自社のみならずサプライチェーンにおける法令順守や人権保護が重要であり、そのためにはサプライチェーンの適切な管理が必須です。 このため、主要なサプライヤーに対してHOYA行動基準への署名と順守、さらに重要サプライヤーに対しては定期的に訪問診断と必要に応じて改善の支援をおこなっています。
サプライヤー行動基準
HOYAグループは、法的および社会的責任を果たすとともに、当グループで働くすべての社員の基本的人権および従業員としての基本的権利を尊重・保護する義務のもと、法令順守および倫理的慣行の高い水準での実践に取り組んでいます。
また、商品やサービスをご提供いただくサプライヤーの皆様にも、当社と同等の法令順守および倫理的慣行を求めるべく、「HOYAサプライヤー行動基準」を策定し、受理および順守をお願いしています。サプライチェーンにおける人権問題や環境問題を含むコンプライアンスに積極的に取り組むことがますます重要になってきている状況に鑑み、2024年度にサプライヤー行動基準を改定しました。サプライヤー行動基準は、日本語、英語、タイ語、ベトナム語、韓国語、中国語で作成・周知されています。サプライヤー行動基準に賛同してくださるサプライヤーをさらに増やすため、今後も継続して働きかけていきます。
サプライヤー監査
重要なサプライヤーに対しては、各事業部門の品質保証システムにしたがい、定期的もしくは品質不良があった場合など必要に応じて監査をおこなっています。例えば、HDD用ガラス基板を製造するMD事業部では、サプライチェーンにおける安全な労働環境や環境負荷に対する責任を促進するためのResponsible Business Alliance (RBA)※行動規範に基づいた監査を材料メーカーに対して実施しています。これらの取り組みにおいて、これまで強制労働や児童労働などの重大な人権リスクの顕在化した事例は見られていません。
※電子機器業界をけん引する企業グループによって2004年に設立されたElectronic Industry Citizenship Coalition (EICC)を前身とする非営利団体。電子機器、小売、自動車、玩具業界の企業で構成される。
責任ある鉱物調達
紛争鉱物調査
HOYAグループは、サプライヤーの皆様の協力の下、コンゴ民主共和国またはその近隣国で産出され⽶国金融規制改革法1502条で紛争鉱物と定義された鉱物を使⽤いたしません。サプライヤーの皆様には当方針を記載したサプライヤー行動基準への順守とともに、重要サプライヤーにはRMIの帳票であるConflict Minerals Reporting Template(CMRT)を使用した紛争鉱物調査※へのご協力を定期的にお願いしており、情報‧通信事業のみならず、2020年度よりライフケア事業へも対象を拡大させ、全社的に取り組んでいます。
RMAP準拠製錬所からの鉱物調達に限るべく製錬所特定への取り組みなど、引き続きサプライヤーの皆様と協力しながら取り組んでいきます。
また、人権問題等への世界的関心の高まりに応じて、紛争地域および高リスク地域からの鉱物であるコバルト、雲母についての調査にも取り組み始めました。重要サプライヤーにはRMIの帳票であるExtended Minerals Reporting Template(EMRT)を使用し、コバルト、雲母の使用の有無やRMAP準拠製錬所からの調達がおこなわれているかを調査しています。
今後もサプライヤーの皆様と協力しながら調査精度を高めるとともに、紛争鉱物に対するリスク低減に向けた取り組みを推進していきます。
※調査対象鉱物:タンタル、スズ、金、タングステン
紛争鉱物調査の実績と目標
HOYAグループでは、責任ある鉱物調達の推進を通じて、人権尊重とサプライチェーンの透明性向上に取り組んでいます。2024年度は、従来の3TG(タンタル、スズ、金、タングステン)に加え、新たにコバルトおよび雲母を対象とした調査を実施しました。
3TGに関する調査では、RMAP適合製錬業者の数が増加し、適合比率も引き続き高水準を維持しています。さらに、コバルトおよび雲母に関しても、初回調査ながら高い回答回収率を達成し、RMAP適合製錬業者比率も良好な結果となりました。
今後もリスク低減に向けた取り組みを強化し、より詳細なトレーサビリティ確保に向けた体制整備を進め、持続可能な鉱物調達の実現を目指します。
3TGの調査結果
2021年度 |
2022年度 |
2023年度※1 |
2024年度 |
目標 |
|
---|---|---|---|---|---|
調査回答回収率※2 |
99.6% |
99.0% |
– |
98.4% |
100% |
特定製錬業者数※3 |
160 |
150 |
– |
188 |
– |
RMAP適合製錬業者数※3 |
140 |
147 |
– |
185 |
– |
RMAP適合製錬業者比率 |
88% |
98% |
– |
98% |
継続的な向上 |
コバルト・雲母の調査結果
2024年度 |
目標 |
|
---|---|---|
調査回答回収率※2 |
97.0% |
100% |
特定製錬業者数 |
17 |
– |
RMAP適合製錬業者数 |
16 |
– |
RMAP適合製錬業者比率 |
94% |
継続的な向上 |
※1 前年度回答がなかったサプライヤーに対するフォローアップや、RMAP適合製錬業者ではなかった製錬所のステータスの確認を実施した
※2 各事業の特性に応じ、調査対象となる重要サプライヤーを選定の上、調査を実施
※3 2021年度は一部重複した製錬業者を含む