環境
水
水資源活用の取り組み
HOYAグループでは、環境基本方針に基づき、水資源の有効活用に取り組んでいます。グローバルに水の再利用の推進や使用量の削減を図ることで、持続可能な水資源管理を目指します。
水使用量削減目標
これまでも各事業部の水使用状況を踏まえ、事業部ごとに目標を設定し、水使用量の削減に取り組んできました。さらに取り組みを加速させるため、2023年度にはグループ全体としての水使用に関する目標を新たに設定しました。
特に、取水量が多い、または水ストレスリスクが高い生産拠点を中心に、個別目標を定めたうえでロードマップを策定し、生産工程の見直しや水の再利用率向上などを通じて、水使用量の削減を推進しています。
その結果、2024年度には各事業部の生産量が増加する中にあっても、取水量の総量は基準年である2021年度比で約16%減少しました。さらに、生産数当たりの原単位では、前年を上回る13%の削減を達成しました。
HOYAグループ水使用量(取水量)
原単位目標
2030年度までに生産数※当たりの取水量を16%削減する。(基準年2021年度)
ただし、取水量の総量は基準年レベルを上回らないように取り組む。
※製造製品が異なる事業を合算するため社内で算定した換算方式での生産数
水ストレスリスク評価
水は、HOYAグループの生産活動において欠かすことのできない重要な資源のひとつです。特に、MD事業部(HDDガラスサブストレート)およびVC事業部(メガネレンズ)の生産工程では、多量の水を使用します。
当社では、水資源の持続可能な利用を推進するため、生産拠点ごとの水ストレスリスクをAqueduct Water Risk Atlasを活用し、拠点へのヒアリングも実施しながら総合的に評価しています。リスクが高いと判断された拠点については、本社の環境・安全衛生部と連携し、対策案の策定と施策の実行を重点的に進めています。これらの取り組みにより、水資源の効率的な活用と地域環境への配慮を両立させることを目指しています。
取水量
2024年度、HOYAグループの取水量は15,678千㎥となり、基準年(2021年度)を約16%下回りました。また、生産量当たりの原単位は基準年(2021年度)比で13%削減を達成し、水再利用率も28%と、例年並みの水準を維持しています。
一方で、前年度比では、生産量が増加したことから、取水量および連結売上高当たりの原単位はそれぞれ25%、10%増加しました。しかしながら、取水量は目標である基準年(2021年度)を下回る水準で管理されており、また、生産量当たりの原単位は減少傾向にあります。これにより、効率的な水資源の活用を着実に進めています。
取水量

水再利用率

※取水量は、生産拠点を対象とし、市水・工業用水・地下水の使用量に基づき、算出しています。
水に関するデータについては、ESGデータブックの環境ページをご参照ください。
水再利用の取り組み
フォトマスク製造工程における超純水のリサイクル
フォトマスク製造工程ではさまざまな薬品や異物を取り除くために超純水を使用して洗浄しています。使用後の水は排水処理設備で無害化処理をおこなった後、一部を回収し再利用しています。超純水リサイクル設備は吸着剤や逆浸透膜(RO膜)で構成され不純物を取り除くことで再利用を可能としています。

マスクブランクス排水処理における化学物資削減と水リサイクル
マスクブランクスの生産工程では、主に洗浄や研磨プロセスで水と化学薬品が使用され、その後、化学処理工程を経て排水処理プラントで中和されます。EUV(Extreme ultraviolet、極端紫外線)マスクブランクスでは酸性の排水が発生し、一方、オプティカル(Deep ultraviolet、深紫外線)マスクブランクスではアルカリ性の排水が発生することから、これらを混合して中和することで、排水処理における追加の化学薬品の使用を削減しました。さらに、中和水の一部をリサイクルすることで、取水量の削減にも成功しています。この取り組みにより環境負荷の低減と資源の有効活用を両立しています。
