なぜ今、社内技術を結集する新組織「HILS」なのか。
オーガニック成長の進展を踏まえた
戦略的な背景と、次の10年を
見据えた取り組みについて、
CEOが語ります。

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取締役 兼 代表執行役
最高経営責任者(CEO)
池田 英一郎

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池田さん、今回はかしこまったインタビューの代わりにチャット形式でざっくばらんにいろいろお聞かせください。

池田icon

OKです。よろしくお願いします。

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FY25を振り返ってみて、一言で言うとどんな年でしたか?

池田icon

事業ごとで状況は結構違いましたので、なかなか一言で表すのが難しいですね。強いて言えば「オーガニック成長の機会をより盤石に固めた年」でしょうか。

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具体的にはどのような進展があったのでしょうか?

池田icon

ニアライン向けのHDD基板の顧客獲得、AI市場のさらなる拡大によるEUVブランクスの需要増など、主力成長事業のビジビリティが高まり、大規模な能力増強も決めました。

ライフケアについても収益構造を見直し、安定的な収益成長に向けた土台を固めた年度だったと思います。

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オーガニック成長に力点を置いたご説明でしたが、M&Aは実施しないのでしょうか?

池田icon

CEO就任の2022年以来、M&Aの機会探索をおこなってきましたが、経済合理性を理由に見送ってきました。今後も機会はうかがっていきますが、大規模な内部投資が決まっている中期において最優先事項ではありません。

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確かに、HDD基板が500億円、EUVブランクスが420億円程度と内部投資だけでかなりの規模ですよね。当社の歴史上、これほどの大型投資のタイミングが重なるのは初めてだと思うんですが、資金面での心配はないのでしょうか?

池田icon

問題ありません。当社のキャッシュ創出力は非常に強いですし、バランスシートの余剰資金を減らす方針も発表しているくらいですので。

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今回、発表した資本政策のアップデートのことですね。

池田icon

自社株買いを軸に、3年ほどの期間で現金の水準を落としていきます。

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すでにROEが25%と高いですが、バランスシートのスリム化により資本効率のさらなる向上を図るわけですね。

前向きな話が続きましたが、逆に心配な事はありますか?最近は中東情勢をはじめ地政学リスクも高まっていますが・・・

池田icon

当たり前ですが、外的環境由来のリスクをゼロにすることはできません。それらが起きた際にいかに影響を最小化するかがポイントです。

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事業ポートフォリオでリスクを分散するということでしょうか?

池田icon

その通りです。産業や地域、顧客へのエクスポージャーを分散させることで全体での影響を薄める考え方です。

事業単体の視点でも、固定費の柔軟なコントロールや価格転嫁などにより利益を守る文化とメカニズムがあります。何かが起きてもこうした対応を臨機応変におこなうことで当社は上場以来一度も赤字になったことがないのです。

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事業環境の変化が非常に早いなか、HOYAで「朝令暮改」が良い意味で受け入れられていると感じます。

話を少し変えます。中期的な成長軸はオーガニックなものでビジビリティが上がっていると思いますが、長期目線での成長機会はどう考えていますか?

池田icon

無論、既存事業だけで永続成長はできませんので、次の10年〜20年の目線での事業開発は最重要経営課題として取り組んでいます。

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そこはやはりM&Aがカギとなるんでしょうか?

池田icon

M&Aによる新規事業の獲得も選択肢としつつも、HOYAの成長の軌跡を改めて見返すと、社内にすでにあるリソースの掛け合わせに妙味があると思っています。

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と言いますと?

池田icon

HOYAに散らばっている光学技術や、量産技術などを結集することで将来的に成長ドライバーとなり得るシーズの開発ができると考えています。その発想を起点にFY26にHOYA Incubation Laboratories (HILS)という新しい組織を立ち上げていきます。

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いわゆるR&Dセンターのようなものでしょうか?

池田icon

R&Dセンターの役割を持ちつつ、事業化まで見据えた活動をおこなうのがポイントです。こういう組織は、概して研究そのものが目的化しがちですが、Product Realizationに向けて具体的な量産スキームや顧客の課題解決につながる提案まで一体的に動いていきます。

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しかし、このような組織をなぜ今立ち上げるのでしょうか?

池田icon

2000年代後半からの20年は、成長戦略をM&Aに据え、既存事業と異なる技術シーズの開発を止めていました。ところが、前述の通りM&Aはバリュエーションや収益性などの面で当社の基準に合うものがなかなかない。そのようななか、社内で協力して新しい技術・事業を創り出そうという機運が高まっていました。

2〜3年ですぐに成果が出るような性質の話ではありませんが、HOYAが持続的に成長するために、既存事業の中期的な成長のビジビリティが高まっている今だからこそ、種まきすることが大事なのです。

編集icon

どんな事業が生まれるかワクワクします。本日はありがとうございました。