市場成長性

市場の成長性とHOYAの可能性

ライフケア事業は、世界的な高齢化や新興国の生活水準向上などを背景に、市場自体の拡大が見込まれています。一方、情報・通信事業においては市場自体は成熟傾向にありますが、その中でも技術の進展が期待される分野も存在しており、継続的にそれらの成長分野に投資をしていきます。

ライフケア分野

世界的な高齢化、新興国の生活水準の向上により市場成長

世界的な高齢化が市場を拡大

世界的に高齢化が進むことで、加齢による視力低下からメガネを必要とされる方の増加が予想されています。また、各国政府が高齢化の進展による医療費の増大を抑制するために、軟性内視鏡に対するニーズの高まりが予想されます。

世界の老齢人口(65歳以上)と老齢人口比率予測
世界の老齢人口(65歳以上)と老齢人口比率予測:年平均成長率3%で推移
出典:国際連合World Population Ageing 2019

新興国の生活水準の向上が市場を拡大

新興国の経済発展を背景に、世界の中間所得者層の人口が拡大します。今までメガネを購入できなかった方や手術を受けることができなかった方が治療の機会を得ることによって、HOYAのビジネス機会も拡大します。

世界における中間所得層の推移予測
世界における中間所得層の推移予測:2020年に32億人、2030年に49億人へ
出典:経済協力開発機構(OECD)

老齢人口、中間所得者層の増加が市場を拡大

世界的な老齢人口の増加、新興国の経済成長による購買力の増加、健康意識の増大、長時間のパソコン・スマートフォンの使⽤による視力低下などにより、メガネレンズの需要は世界的に増加しています。

メガネレンズの世界市場動向
メガネレンズの世界市場動向の予測グラフ:年平均成長率3%で推移
当社推定

低侵襲医療のニーズ拡大が内視鏡市場を拡大

高齢化社会の進展に伴い、世界的に医療費の拡大が進んでいます。各国政府は、疾病の早期発見および低侵襲医療を推奨。低侵襲医療は、患者様の体にメスを入れずに体への負担を極力抑える医療として、ニーズが拡大しています。体に傷をつけることなく診断・治療できる軟性内視鏡は、そのニーズに応える医療機器として大きく期待されています。

医療用内視鏡(軟性鏡、硬性鏡、他)の世界市場動向
医療用内視鏡(軟性鏡、硬性鏡、他)の世界市場動向予測グラフ:年平均成長率4%で推移
Allied Market Research
【市場成長の背景】
  • 人口の高齢化
  • がん罹患率の上昇
  • 疾病予防への取り組み
  • QOL・低侵襲診断・治療機器へのニーズ拡大
  • 新興国における医療インフラの整備

情報・通信分野

次世代技術の進化と用途の拡大により市場成長

情報・通信事業は全体として市場が成熟していますが、個々の製品にクローズアップすると、将来の成長が期待できる分野があります。

EUV露光用マスクブランクス

EUV露光とは波長の短いExtreme Ultraviolet(極端紫外線)を使って半導体の回路を基板に焼き付ける技術で、半導体回路のさらなる微細化の鍵となるものです。HOYAは顧客からのニーズを正確に把握し、これに適切に応えていくことで、EUV露光⽤マスクブランクス市場を主導していきます。

ニアラインサーバー向けHDD用ガラスディスク

ニアラインサーバーはバックアップやアーカイブ⽤途に使われるサーバーで、世界的なデータ量の増加に対応するために大きな成長が続いています。データセンター内の設置スペースの効率化のために、サーバー1台あたりの記憶容量の増加が求められています。HOYAはディスクの薄型化により、1台あたりのディスク搭載数の増加を顧客に提案していくことで、この要望に対応し、ディスクの出荷数量増加を図っていきます。

車載用カメラレンズ

車載用のレンズは自動運転技術に必要なセンサーに使われることが見込まれ、市場成長が期待されています。当社の強みである付加価値の高いガラス材料や、非球面ガラスレンズを活かし、市場の成長を取り込んでいきます。